【小舎制支援】
児童養護施設：鳥取こども学園は、昭和37 年から小舎による生活を支援の柱として、順次建て替えを進め、昭和53 年には完全小舎化を実現。
以後、時代の要請に応える形で開設した情短施設や乳児院も、同様に小舎制による支援を踏襲してきました。それは、小舎の家庭的構造が、単に物環境としてだけでなく、人環境としても子どもの心に安らぎを与えること、そして、親から離れて暮らさなければならない傷付いた心を癒すのに最適であるという、法人の一世紀に及ぶ経験に導かれた結論によるものです。
小舎制支援は、子どもらが大人になって自身の子育てをする際の、参考モデルを提供すると信じています。そういう意味では、施設で働く職員は、子どもに『こんな大人なりたい』と思ってもらえる存在でありたい、そう思わされています。
【学園のきまり】
私たちは、「地の塩」「世の光」でありたいと思います。私たちは、「人として尊ばれる（児童憲章）」、一人一人かけがえのない人間です。動物の世界は弱肉強食の世界ですが、人の世では、赤ちゃんやお年寄り、障害のある人など、弱い立場の人が大切にされる世でありたいと思います。
- 「自分も他人も大切にする
・・・人間の尊厳を決して侵さない」 - 「人間の尊厳を培う」
- 「問題はすべて話し合いで解決する」
以上が、鳥取こども学園、鳥取こども学園乳児部、鳥取こども学園希望館で共に最も大切にしているきまりです。
【保護者と施設による協同育児】
子ども一人ひとりの心は、家族の動向と共に揺れ動いています。従って、それぞれの子どもの家族と職員が協力して、一緒に子育てに当たらねばなりません。そのため保護者の皆様には、お子さんが通っている幼稚園や学校の授業参観や個別懇談などに担当職員と一緒に行っていただいたり、定期的な面会や週末の帰宅をお願いしたりしています。また、必要に応じて悩みを共有するために保護者と職員との定期的な面接（カウンセリング）や、親子合同の面接も行っています。
【ゲスト･ハウス（家族宿泊棟）】
敷地内には親子で宿泊できる「ゲスト･ハウス」を３戸整備しています。予約が必要ですが、遠方から会いに来られる保護者の方や、家庭復帰の練習などに気軽にご利用いただけます。
特に、乳幼児の場合、親子のふれあいは大切です。「三つ子の魂百まで」と言われるように、３才までの目と目を合わせてほほ笑み合うことや、授乳、おんぶ、抱っこ、添い寝などを通じた愛着の形成は、将来、人と繋がっていく上での最重要課題であると言って過言ではありません。
乳児院ではこうした親子のふれあいを大切に、計画的に面会やゲストハウスの利用を実施し、地域の” 愛着トレーニングセンター” としての役割を担っていきたいと考えています。
【教育保障など】
- ＜乳幼児＞
乳児は乳児院のホームで過ご
しますが、幼児になると昼間は施設敷地内の「なかよし園」で過ごします。また、就学前は施設指定の幼稚園に通います。 - ＜小学生＞
施設最寄りの公立小学校に転校し、通学します。 - ＜中学生＞
施設最寄りの公立中学校に転校し、通学します。 - ＜高校生＞
それぞれ入学の高等学校に通学します。 - ＜特別支援教育＞
必要に応じ、
鳥取市教育支援委員会（入級に関する専門委員会）を経て、小学生は鳥取市立修立小学校特別支援学級並びに希望館分教室に、中学生は鳥取市立東中学校特別支援学級並びに東中学校のぞみ分校に通学します。
また、鳥取県教育支援委員会を経て、鳥取県立白兎養護学校、鳥取県立鳥取養護学校、鳥取大学附属特別支援学校他に通学します。 - ＜専門学校・短大・大学他＞ 年々進学する子どもが増えていますが、現行の制度下では十分な学費が拠出できないため、可能な限り保護者の負担をお願いしたり、本人のアルバイトや奨学金（鳥取県児童養護施設協議会「あしながおじさんの会」等）で賄っています。
【里親との関わり】
入所施設では職員が保護者の代わりを担いますが、家庭的な生活体験を目的に里親宅への宿泊など、子どもと里親の交流事業を必要に応じ実施しています。
