里親によるショートステイ・トワイライトステイに思うこと③
里親支援とっとり 所長 遠藤 信彦
親御さんの病気など、急なことで子育てがむずかしいとき、いっとき子どもを預けることができる「子育て短期支援事業(ショートステイ・トワイライトステイ)」という、市町の取り組みがあります。
昨年度、法律がかわり、このショートステイ・トワイライトステイを、どんどん里親さんに受け入れてもらおうという方針が打ち出されました。
ここに至るまで、また、至ったのち、さまざまなドラマがあります。シリーズで書きたいと思います。(このパート③が最終です)
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児童相談所が子どもを『保護』し、長期間里親や施設に預けることは、鳥取『県』行政のしごとです。これまで、市町村の職員さんは、「遠藤村の遠藤さんっちゅうかたは里親さんをしょうられるだってなぁ?」程度に、自分のたずさわる地域に里親さんがいることを、おぼろげには分かっていても、里親名簿もなく、人柄も取り組みも知らないという現状がありました。
親御さんの病気など、急なことで子育てがむずかしいとき、いっとき子どもを預けることができるショートステイ・トワイライトステイの取り組みは『市』や『町』のしごとです。今後、里親さんが、鳥取県行政からのみではなく、自分の暮らす『市』や『町』からのお役目もになうことで、地域にもっと身近な存在となります。
里親さんは、古くから、子どもの最善の利益のために、つつましやかに人知れず取り組んでこられました。自分が居をかまえ暮らしている地域全体から『困ったときや、疲れたときはあの遠藤さんを頼ればいいだでぇ?』『ええことをしょうられますなあ!感心感心!がんばってつかんせえよ!』『わしらのかわりにすんませんなあ。なんか手伝えることはないかいな?』といったふうに、応援のエールが、聞こえてくることが理想です。
地域の子育て支援をもっと充実させたい市町村の職員さん、地域にもっと貢献したい里親さん、さまざまな人の想いが実り、この理想に、いくばくか近づくことを、とても嬉しく思っています。
(この文章は、鳥取県里親会東部部会発行「東部里親だより号外」に掲載されたものの原文です)
2022.09.12