学びの伝達
当所は、里親さんの養育のスキルアップのため、年二回、研修を開催しています。鳥取県内外から講師を迎え、これまで、たくさんの回を重ねました。
例えば、里親子の関係をつくる声掛けの練習法、相互にエンパワーメントするための対話技法、措置解除後の子どもの暮らしを知る、共感力を高める体験型講座、保護された子どもの心の回復のプロセス、などなど。他にも、全国里親会の会長や副会長に、今後の里親会や社会的養護の在り方をお話いただいたり、母子生活支援施設の長に、母子支援において大切にしていることをお話いただいたり、などなど。様々なことに気づき、様々な立場の方のご苦労とお取り組みを知り、学びを深めるため、毎度毎度趣向を凝らして開催しています。
次回の研修は、私が高校生の頃、好んで聞いていた、山陰放送ラジオの「角兵衛のミッドナイトパートナー」や「みずえとすーさんのくるくる放送局これしかナイト日曜日」からヒントを得ました。里親さんより事前に質問(いわばリクエストハガキ)を集め、児童相談所長と、当所の所長(全国児童養護施設協議会前会長)が、いわばDJのように返答いただく、というチャレンジをします。
このように趣向を凝らしても、毎回の研修に、里親さん全員が御参加いただけるわけではありません。お仕事をしていらっしゃる方も多いので、「いやぁ、その日はちょっと都合が・・・」という返答も多いです。
しかし、一般的に、子育てについての教えは、座学からではなく、自分や伴侶の親、親戚、PTA仲間や、近所の方などから、口伝え、申し伝えから学ぶことが多いと思います。保護を必要とする子どもの子育てであれば、里親仲間や先輩、施設の職員、児童相談所の職員などから口伝えにより引き継がれ、熟成されていくものだと思います。
企業などでは、研修に出張した方が自分の職場で、その内容を報告する「伝達研修」というものがあります。里親が集った際、「聞いて聞いて!この間の研修で、こんな話があってね!」といったように、あちらこちらで話題にあがり、学びが伝達していくような雰囲気づくりを心がけています。
2017.08.18