冠婚葬祭文化振興財団さんの助成を受けて
里親支援とっとり 所長 遠藤 信彦
今年度も、鳥取県里親会は、里親と、里親宅で暮らしている子どもたちと、施設に入所している子どもたちのふれあい交流イベントを行いました。コロナ禍で、いつものような、大勢で膝を突き合わせ、大はしゃぎで楽しむような催しはできなかったのですが、それでも、密にならないよう広いスペースを確保したり、屋外で実施したりなど、里親会の東部・中部・西部3つの部会が、それぞれにアイデアを駆使して行いました。
中には、コロナ警報により、予定していた日にちの延期を余儀なくされ、『こころなしか肌寒いヤマメのつかみどり』を行った部会もありました。しかしながら、おとなの心配などなんのその、子どもたちは川にざぶんざぶんと浸かり、『とったドー!!!』と、獲物ゲットの雄叫びを高らかにあげ、皆で称賛して、笑い合いました。
今年度のこのイベントは『冠婚葬祭文化振興財団』からの助成を受けて行いました。この財団は、結婚式場や葬儀場、貸衣装レンタルなどの事業者の、助け合いの協会を母体としています。現代社会では、地域のつながりや親族のつながりが薄れ、価値観が多様化したことで、結婚式やお葬式といった昔ながらのセレモニーのかたちが変わって来ています。簡素化されたり、衰退したりして、広い世代の方が一堂に会することが少なくなりました。財団は、地域に伝わる伝統的な儀式の文化を残すための活動をメインとしながら、社会貢献活動を行っており、その一環として、当会の事業を支援して下さいました。
『とったドー!!!』の子どもたちは、あと何年もすれば、里親宅や施設を巣立ち、それぞれにひとつの生活を、それぞれに選んだスタイルでいとなみます。大人になって、どんな集まりの結婚式に参加し、どういったゆかりの方の葬儀に参列するのでしょうか。この子どもたちには、時代の流れにあおられずに、昔ながらの集まりに参加して欲しいと思います。親族であれ、地域であれ、仲間であれ、『とったドー!!!』のように笑い合えるコミュニティーの中で、人とのつながりの中で暮らして欲しいと思います。
2021.03.12