いもほりに行ってきました!
里親支援とっとり 所長 遠藤 信彦
鳥取全県の里親さんと顔なじみになりたいので、里親さんが集まる機会には極力参加させてもらっていたのですが、コロナ禍のため控えており、お誘いも無かったところ、このたび、久しぶりに声をかけてもらえたので、芋掘りイベントに参加してきました。
ご無沙汰していた方が多く、会うひと会うひとと近況の報告を交わしながら、うねにそって掘り進めているうちに、里子の、小学生の男の子と鉢合わせました。イベント終了までタッグを組むことになります。
この男の子のことはよく知っていますが、これまでそれほど遊んだことがなく、即席コンビです。そのわりに息ピッタリで掘り進めます。
「これはでかいぞ!きみはそっちから!底から掘り下げて!」
「よし!じゃあ底で貫通させよう!手が届いたらトンネル完成だ!」
大物が見つかるとなおさら大事に、折らないよう傷つけないよう掘り上げます。まわりに自慢することはかかせません。
いつも芋掘り指導してくださる方から「こう、ぽっこりしている箇所は『レン』で収穫できるから、手探りでみつけてまわりから掘るように」と教わったので、さもそういうところを見つけたあかつきには
「よし!ここは『レン』だぞ!」
「うん!『レン』でいこうぜ!」
きっと、連なってとれるので「連」というのだと思うのですが、意味を知ろうが知らまいが、意気だけはあいます。芋づる式の『レン』で収穫できたときの達成感は格別です。もちろん自慢も忘れません。
50てまえのおっちゃんと小学生男子の快進撃は続きます。
「今度はあのおばちゃんたちのお手伝いをしよう!」
「こんなにいっぱいありがとねえ!」とほめられるとまんざらでもありません。鼻息荒く、結構な数を掘りあげました。
なんてことのないやりとりなのですが、感慨深いものがありました。
この男の子は小さなころ、わりあい落ち着きが無く、集中がむずかしいところがありました。里親さんはもとより、多くのおとなが支えています。こうして、即席コンビで作戦会議をして、楽しく作業できたこと、落ち着きぶりに、全員野球による支えの、たまものを見た気がしました。
「おかあちゃん!このでかいいも!もらってかえるやつだから持っていっておいて!」
それですのに、里母さんにはえらそうな物言いで、ちょっと笑ってしまいました。里母も大したもので、「自分で行きなよもう」と苦笑しながら意に介しません。作業はがんばるけど、かあちゃんには甘えちゃう、というのも、とても健康だと思います。
抜けるような秋晴れのもと、たくさんのおいもと、楽しかったやりとりの満足感をもって帰路につきました。
2022.10.16