ある病院のリハビリトレーナーさんのお話 | 社会福祉法人 鳥取こども学園社会福祉法人 鳥取こども学園

社会福祉法人 鳥取こども学園は、キリスト教精神にもとづいて創立されました。その基本理念は『愛』です。

TEL. 0857-22-4200
ホーム > 里親支援とっとりブログ > ある病院のリハビリトレーナーさんのお話

里親支援とっとりブログ

ある病院のリハビリトレーナーさんのお話

 

里親支援とっとり 所長 遠藤 信彦

 これは「とてもためになる話だったから、法人のブログに書いて良いか」と許可を得ているので書く話なのですが、親しい里親さんが長期の入院をしておられました。足の関節を治療するもので、大手術であり、長い入院だったのですが、もうすぐ退院されます。もともと元気な方で、健康的な生活をされていたのですが、手術・治療の成果で足の痛みが無くなり、加えて毎日過密スケジュールでのリハビリトレーニングをされるものですから、ますますに輪をかけてお元気でいらっしゃり、ハツラツとしたお声で、入院生活レポートの電話をくださいます。

 退院日が決まった先日、こんな話をしてくださいました。「なごり惜しいとまでは言わないものの、この病院、なにからなにまで本当に快適だったわ。一番良かったのは、スタッフのみなさんが親切でよく気が付かれること。どんな社員教育をしていらっしゃるのかしら。一番はトレーナーさんだったわ。リハビリは、なかなかにハードで、時にはピリッと治療の跡がうずくこともあるのだけど、そんな時トレーナーさんは『あなたのここのところのスジは、もともと、ここからこういった感じにつながっているんだけど、今、こうこうこういった治療段階で、こうこうこうなって突っ張っているかもしれないけど、治っていっているところだから、大丈夫!じゃあ!もうちょっとがんばりましょう!』といったふうに、やさしく、わかりやすく、丁寧に教えてくださるの。自分のからだじゃないのに、人のからだのことを、よく分かるもんだわと感心したわ。結局、がんばらさせられるのだけど、それがいやじゃないっていうか、がんばっちゃうというか、ああ、そういうことなら安心だから、よくなるんだからちょっとくらい痛くてもがんばろう!っていう感じ。あの人が里親したらいい養育されるわ、きっと」という話です。

 この話を聞いて感銘を受けました。当たり前ですが、医療関係者さんは、人のからだの仕組みや、病気のメカニズムと、治療の経過をよくご存知です。リハビリのトレーナーさんであれば、幼い子どもから高齢の方まで付き添われますので、その患者さんの、そのときそのときのからだの状態を、その方その方に分かるように、丁寧に言葉を選んで説明されるのでしょう。それにより、信頼を得て、安心を与え、からだを預かるのですね。そこからさらに、治療に向かうためのやる気まで引き出すのですから大したものです。

 自分をかえりみたところ、自分は制度を分かっているのか、養育のことが分かっているか、その方のご苦労が分かっているのか、その人に伝わる伝え方が出来ているのか、何より、励みになっているのか、などなど、トレーナーさんに見習って精進しなくてはいけない、と、切に思いました。


2020.11.24