支援センター希望館ブログ | 社会福祉法人 鳥取こども学園 - Part 10社会福祉法人 鳥取こども学園 | Page 10

社会福祉法人 鳥取こども学園は、キリスト教精神にもとづいて創立されました。その基本理念は『愛』です。

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支援センター希望館ブログ

  • 大切な時間

     12月に入り、年末が近づき、今年も終わろうとしています

     最近、時間が速く経つと感じるようになりました。時間の経過をどう感じるかは心理学で「時間評価」と呼ばれるものがあるそうです。心的時計というものがあり、これが実際の時計よりも速く進むと「まだ1時間しかたっていない」と感じ、心的時計が遅く進むと「もう1時間過ぎた」と感じます。子どもには待ち遠しい行事が多いのに対して、大人になると慣れ親しんだ刺激の少ない出来事ばかりのため、時間経過に注意を向ける回数が減り、その分時間の進行が速く感じられるそうです。(参考URL:大人はなぜ時間を短く感じる?: 日本経済新聞 (nikkei.com))そのためか、大人になると1年があっという間に感じるなと思っていましたが、支援センターに来所する子どもから1年が早かったという声をきくと、実際のところ時間の流れの速さの感じ方はみんな同じなのかもしれません。特に今年はコロナウイルスの影響を受け日々の生活をいろんな制約を受けています。そのような状況で子どもも大人も一生懸命日々を過ごしていることには変わりがないのかなと思うと、過ぎる時間の速さの感じ方は同じなのかもしれません。

     この1年はコロナウイルスの影響でたくさんの我慢をする日々だったように思います。

     その分、日々変わらず健康で過ごせたことや支援センターに来てくださる方と変わらずお会いできることの大事さをとても感じた1年だったなと思っています。

     来年も来所された方々と関わらせてもらいながら、日々の生活を大事にし、心が少しでもほっとできる時間を共有させてもらえたらと思っています。

     今年1年ありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。

     


    2020.12.17

  • 小さな世界

    すみれホームの玄関を入ると2つの飼育ケースが並んでいます。

     

     

     

     

    右のケースにはカブトムシの幼虫が5匹暮らしています。

     

     

     

     

    この可愛らしい?幼虫たちは、この夏ロータリークラブの方からいただいた成虫が卵を産み、ここまで成長しました。

    幼虫は大人の親指程の太さがあり、よく見かけるコガネムシの幼虫と比べてとても大きく見ごたえがあります。

    時々姿を見る事が出来、子どもたちは「見えた!」「おっきい!」と興奮気味に見つめています。

    左のケースにはメダカが2匹暮らしています。

     

     

     

     

     

     

     

    先日、子どもと裏の川に行った時にバケツで水をすくうと、偶然入っていたメダカたち。何とか冬越し出来たらいいなぁと、子どもたちと一緒に眺めています。

    元々このケースには、夏に捕まえたトンボがなんと!!卵を産み、孵化した赤ちゃんヤゴが大きくなるよう頑張ってみたのですが・・・。いつの間にかみんないなくなっていました。

     

     

     

    そういえば、少し前にヒラタクワガタが亡くなりました。

     

    1年以上前に、網戸についていた物を子どもと大騒ぎして捕まえ、冬越しまでしてくれたクワガタでした。子どもたちと一緒にお墓を作って弔いました。

     

     

    生き物を飼う楽しさ、切なさをこの下駄箱の上の小さな場所で子どもたちと一緒に感じています。

    すみれホームに立ち寄られたら、ぜひ、玄関の下駄箱の上をご覧ください。生き物が出迎えてくれると思います。


    2020.11.18

  • こころのエール

     「初めてできた挨拶」「笑顔でピカっと輝く挨拶」「喜びを感じられる挨拶」「心配な様子の挨拶」「手を大きく振ってアピールする挨拶」「姿を見つけて呼びかける挨拶」「微かな挨拶」・・・。

     教育棟1階の窓口で、いろいろな挨拶に出会います。

     子どもたちの挨拶から『こころ』を感じ取ります。『嬉しいことあったのかな。』『大丈夫。大丈夫。心配しないでね。』『挨拶、ありがとう。嬉しいよ。』『元気ですか。元気でね。』と心の中で「あいさつエール」を返します。

     わずか数秒の営みですが、貴重な数秒です。挨拶を通して子どもたちの心を感じ取ることができるからです。そして、毎日の子どもたちの姿から、積み重ねられていく一人一人の成長を感じ取り「こころのエール」を送りたくなります。

     こんな例がありました。

     Aさんは、初めは挨拶が見られませんでした。ある日、体を曲げたまま窓口に近づいて頭を下げるようなポーズを取りました。とっさに「あっ」と思って「さよなら」と返したのが初めでした。『わっ、初めて挨拶してくれた。』と嬉しくなりました。次に来所の時に「こんにちは」と声をかけると、会釈が返ってきました。帰る時の会釈には、手を振って「さよなら」と応えました。そういう状態が、しばらく続いた後、来所時に自分から「こんにちは」と挨拶があり、とても嬉しく思いました。

     その後、日を重ねるにつれ、挨拶を通して本人の成長ぶりを感じました。「こんにちは」の挨拶の声が堂々として、巣立っていく頃には力強い足取りへと変わっていきました。この成長ぶりが、とても嬉しくて心からの拍手を送りました。

     挨拶は、社会自立に関わっても大切なポイントです。今後、Aさんが、いろいろな人との関係の中で、この挨拶が生きて働くことを願っています。

     このように、挨拶には子どもたちの日々の心の動きが表れています。どの子どもたちにも、いろいろな経験の中で喜びがあり悩みがありますが、それらを映し出しているように感じられます。

     毎日、わずか数秒の挨拶ですが、子どもの「今」が見えてくる瞬間です。

     これからも、子どもの『こころ』を感じ取り、温かな『エール』を送りたいと思います。


    2020.10.16