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第51回🟡「実践」と「弱さ」を誇りとして🟡館長就任あいさつ 児童心理治療施設 鳥取こども学園希望館 館長 水野 壮一
今年度より児童心理治療施設鳥取こども学園希望館の館長を拝命いたしました。祈りと感謝を大切にして、学びを怠ることなく尽くしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
希望館は1994年(平成6)の開設から数えて満27歳の春を迎えました。実は館長に就任するにあたっては「本当に自分に館長が務まるのだろうか?」と不安と緊張(というか、ほぼ恐怖心に近い感覚)でいっぱいでしたが、「希望館は今27歳の青年なのだ」と思うと、あら不思議!なんだか元気が出ます。ここまでの間に蓄えた経験と知識を基に失敗を恐れずチャレンジして、幸福とその在りようを飽くことなく探求し続ける…エネルギッシュな時期に来ているのだと勇気が湧きます。
同時に、希望館が青年期を迎えるまでの実践に誇りと感謝を抱きます。
これまで希望館と関わってくれた入通所併せて450人!の子どもたちと、希望館職員のみなさん(多分延べ人数で100人以上いると思う)が織りなした27年≒10,000日。たくさん悩んでそれ以上に喜び合った日々は誇りある実践であり、青年期の希望館の血肉になっていると思います。一方で、希望館が児童心理治療施設としての役割を果たしていくにあたっては、大人も子どももいろいろな困り感や悲しみや痛みに触れることになります。そこには尊重と寄り添いと対話が不可欠なのですが、時にはふと弱ってしまうこともあるでしょう。
…むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう…なぜなら、わたしは弱いときにこそ強いからです。
(新約聖書 コリントの信徒への手紙二 12章9-10)
希望館らしく「実践」と「弱さ」を誇りとして、一歩ずつ進んでいきたいと思います。
2022.07.01
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第50回🟢「人間の尊厳」のために🟢園長就任あいさつ 児童養護施設 鳥取こども学園 園長 藤野 謙一
今年度から児童養護施設 鳥取こども学園の園長に命ぜられました。皆様、どうぞよろしくお願いします。社会福祉法人鳥取こども学園は、制度のない時代の1906(明治39)年に鳥取孤児院・育児院から始まり、現在では様々な事業を行っています。
これらの事業の一つひとつは、徹頭徹尾、基本理念である『愛』(一人一人を大切にする)を貫いています。特に、最も大変な状況にある人こそが我々が寄り添わせていただく存在で、そこに鳥取こども学園の存在価値があります。この営みを続けていくとき、子ども・利用者・保護者に対して謙虚に、お互いが分かち合い、与え、真摯に向き合っていきます。
私たちは、「子どものためなら、火つけ・強盗・人殺し以外は何でもやる(あまり良い言葉ではなく、すみません・・)」といった精神で、「人間の尊厳」のために闘っていきます。「できません」というより、「できます」と言った方が簡単です。なぜならば、「できる」方法は無限大にあるからです。
真摯であればあるほど、忍耐や痛みが伴いますが、「わたしにできないことが、あなたにはできます。あなたにできないことが、わたしにはできます。力を合わせれば、きっとすばらしいことができるでしょう。(マザー・テレサ)」とあるように皆様と共に歩んで、一人ひとりが尊厳をもった存在として共に生きられる世の中を実現していきたいと思います。
当法人の幼保連携型認定こども園鳥取みどり園は、その初代園長である藤野とりが「私は子どもたちの土工になりたい」と鳥取孤児院・育児院時代から子どもたちと共に生活しながら「乳幼児期から子どもの健全な発達を育むための保育所を開設したい」という思いで創設されました。
今、資金はまだ足りませんが、鳥取みどり園と鳥取こども学園の子どもたちが元気いっぱいに遊んでいるグラウンドを芝生化することにしました。以前、鳥取こども学園で生活している小学生の一人が私に向かって「この学園のグラウンドは芝生にした方がいい。ケガも少なくなるし、芝生は気持ちいい」と言ってきて、思わずメモしたことが実現しようとしているので感無量です。あと一歩です。皆様のご支援をどうかよろしくお願いいたします。鳥取みどり園グラウンド芝生化プロジェクトへの寄付
https://syncable.biz/campaign/2604
鳥取こども学園への寄付
https://www.tottorikodomogakuen.or.jp/bokinjigyo
2022.06.13
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第49回 🌸新年度(令和4年度)ご挨拶🌸 法人常務理事 田中 佳代子
世界中に打撃を与えているロシアのウクライナへの侵攻が収まらず、新型コロナウイルス感染症の罹患をさけるための窮屈な生活も改善出来ぬまま、新年度を迎えています。虐待により命を落とす子どもたち、一般人を巻き込んでの死亡事件も後を絶ちません。戦争・自然災害等に巻き込まれて命をなくした方々、今も苦しみ続けている人々のことを考えると、家があって心が満たされ、三食食べられて温かい布団で眠れる事が最高の幸せと実感する反面、このあたりまえの生活を送ることに罪悪感を抱いてしまう悲しさもある大変な社会状況です。
このしわ寄せは子どもたちに大きく影響を与え、社会的養護・養育を必要とする子どもたちへのサポート体制の強化が今後ますます求められます。社会的弱者の支援も必要とされます。社会福祉法人鳥取こども学園は、新年度を迎えるにあたり、児童養護施設・児童心理治療施設の施設長の交代を行いました。世代交代で若い力を結束させて中・長期的なビジョンの構築に取り組み、民間社会福祉事業として歩み続けた蓄積を土台に、更なる一歩を踏み出します。
児童養護施設の施設長 藤野謙一、児童心理治療施設の施設長 水野壮一。また、新設幹部として、法人運営企画室長 山本隆史、就労自立支援事業統括 竹本智恵と総合的な組織体制強化を図りました。
田中は園長を退任し、常務理事として理事長を補佐し、法人各事業幹部と連携しながら12事業の“縁の下の力持ち”となります。しかし、実はまだまだ教えられることの方が多いと自覚しており、ますます自己研鑽が必要と思います。
法人理念は「愛」です。
愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。「愛はいつまでも耐えることがない」(コリント信徒への手紙1:13-4~8)
田中は45年間勤めさせていただき、数多くの「堪え忍ぶものは救われる」を経験しました。
子どもたちの生きる力、自己治癒力から多くのことを学び、変わらないと思っていた保護者も長い時をかけて確実に変わっていかれる姿に寄り添わせていただき、信じ続けること・寄り添い続けることの喜びも与えられました。法人理念の継承を法人幹部は、とても大切にしています。時代が変わっても基本理念はかわりません。日本を代表する社会福祉実践家であり、熱心なクリスチャンである阿部志郎先生が「靴(制度)に足(利用者)をあわすのではなく、足(必要)に合わせた靴(対応)を作ろうと歩んでいるのが鳥取こども学園だ」と後押ししてくださいました。
今、法人は経営的に非常に苦しい状況が続いていますが、運営方針に賛同してくださる多くの地域の方々に見守られて116年の歴史が刻めていることに改めて感謝しています。
令和4年度・地域の皆様、関係者の皆様、利用者の皆様、保護者の皆様、そして子どもたち、今年度もどうぞよろしくお願いいたします。
2022.04.03