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第35回『最近思うこと』 自立援助ホーム鳥取フレンド・鳥取スマイル統括寮長 山中友子
自立援助ホームには、様々な環境を経て辿り着いた、15歳から概ね20歳の人たちが生活をしています。鳥取フレンドは、1984(昭和59)年1月4日、「OBの家」として、制度外の状態からスタートしました。私は、夫とともに藤野理事長に声をかけていただき、1987(昭和62)年2月より鳥取フレンドに携わっています。
当初は夫と共に寮父母として住み込みで寮生と共に生活していました。当時の寮生は、どちらかと言えばやんちゃな人が多く、その場その場での対応に追われる日々でした。その度に、夫の裁量で、社会人としての対応をしてもらいました。警察や家庭裁判所や保護観察所と関わりのある人たちを受け入れることも多々ありました。事件を引き起こしてしまい少年院に入ることも。彼ら彼女らには、様々な背景や事件を起こすしかなかった事情、周りの環境などがあるとは思います。しかし、環境を変えることは簡単ではないので、結局のところ本人が現実の社会の中で生きていく術を身につけていくしかなく、本人にしてみれば恨みごとも言いたいだろうと察しますが、頑張るしかありませんでした。当時の寮生には、やんちゃするだけの元気がある分だけ「生きる力」があったと思います。
最近思うことは、「今の若者が社会での様々な体験が以前と比べてしにくくなってきているのでは?」ということです。パソコンや、スマートフォンなどの技術の進歩で欲しい情報を手軽に瞬時に得ることが出来るようになりました。一方で、膨大な情報に振り回されたり、何か間違ったり、異なることを言えば、即座に見知らぬ多くの人から非難されたり…。生活は便利になってはいますが、生きづらいことだと思ってしまいます(私自身が、時代についていけてないからかもしれませんが…)。
今の寮生、OB・OGたちに伝えたいことがあります。言葉で言うのは簡単かもしれないですが、「間違えても、修正はできる!」ということです。理解してもらいにくいこともあるかも知れないし、時間のかかることかもしれないですが、心のどこかで覚えていて欲しいです。「必ず乗り越えられると信じて、できることを続けてください。」と伝えたいです。私は今年度定年を迎えます。夫もすでに退職しており、自宅で介護が必要ですが、元気にしています。昔に比べてできることは少ないですが、「できることを。」と自分に言い聞かせつつ、人に関わっていきたいと思います。
2020.11.04
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第34回『60歳からの手習い』保育所 鳥取みどり園 副園長 川下 泉
はじめまして 川下 泉と申します。
前勤務先から、田中園長先生・竹中院長先生には、「一人一人のお子さんのありのままを受け止め丁寧に寄り添うこと」を教えて頂き、勤務してまいりました。
その後退職し、心の中にポツンと寂しさを感じた時、それは、『子どもを抱きしめられなくなった寂しさ』と、気づきました。
そして、先生方にお声かけ頂き鳥取みどり園に、0歳児・1歳児の保育という未知の世界にご縁を頂戴し、半年が経とうとしています。以上児の幼児はもちろんのこと、小さな身体のお子さんとの触れ合いの時間に、今、私の心は満たされています。
お子さんの大事な一日の時間を保育園のお父さんお母さんお姉さん先生が、全身全霊をかけて保育されている姿にたくさんの喜びと感動を頂き、お子さんの純粋無垢な笑顔と元気に励まされ、私は癒されています。
0歳児・1歳児が、温かい保育の中で育っていく集団の素晴らしさ・集団生活のスタートが、いかに大切で、その基礎が就学前教育・保育へと繋がっていく手応えを目の前にしています。
今日も、2か月のお子さんに140㏄のミルクを飲んでもらい、60歳の体に鞭を打ちながらも、愛おしさと達成感を感じた日でした。
皆様との出会いに感謝申し上げます。
2020.10.01
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第33回『コロナ禍の中のお楽しみ』乳児院 鳥取こども学園乳児部 副院長 渡 美由紀
まだまだ残暑厳しい日々が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
4月から乳児部の副院長をしております渡です。
乳児部事務所の新人です。20数年現場でローテーション勤務をしており、すっかり夜型人間だったものですから日中勤務になり、しばらく生活リズムを整えるのが大変でした。それでも半年も経てば規則正しい生活に人間の体は慣れてくるものですね。写真を見て頂くと分かるように乳児部事務所でもコロナウイルス感染予防対策としてパーテーションを設置しました。
狭い事務所(新人なのにディスってすみません)で密になるのは避けられないのですが、努力は怠っていません。コロナ禍でいろいろな行事が中止になっているなか、鳥取県が日本で一番暑い夏に向かい始めたある日、乳児部では夕涼み会を行いました。
例年であれば里親さんや児童養護施設へ巣立っていった子どもたちと夕食も兼ねて行うのですが、今年はそれも難しく規模を縮小して行いました。
かき氷、ヨーヨーつり、ボーリング、引っ張りくじ、プラバンづくり。なるべく密を避けながら楽しいひと時を過ごすことができました。身体ももちろんですが、心の栄養補給を子どもも大人もしながら上手にコロナと付き合っていけると良いですね。鳥取こども学園乳児部 副院長 渡 美由紀
2020.09.07