リレーブログ | 社会福祉法人 鳥取こども学園 - Part 13社会福祉法人 鳥取こども学園 | Page 13

社会福祉法人 鳥取こども学園は、キリスト教精神にもとづいて創立されました。その基本理念は『愛』です。

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  • 第29回『はじめまして 鳥取みどり園』 保育所 鳥取みどり園 園長 西垣 恭子

    創立記念樹の園前の桜が満開の4月、新しくやってきてくれた子どもたちと一緒に私も鳥取みどり園の仲間入りをいたしました。

    何もかも初めてだらけの毎日の中、私が今、一番頑張らないといけないことは、子どもや先生の名前を覚えることです。歳と共に記憶力も衰えてきたなあと実感する毎日の中、園の先生たちは、日々丁寧にクラスの子どもの様子を知らせてくれます。しかし、名前を聞いても分からず、伝えてくださる内容がすうーと心の中と頭の中に入ってこないことに申し訳なさを感じることしばしばで、「どの子のことかなあ?」と、顔を見に行ったり名簿を確認したり…。
    初出勤の日から4週間が経ちましたが、いまだに分からないことだらけの園の業務に追われていて、もっと保育室へ行ってみなくっちゃあと思いつつ、一日が終わってしまい反省の日々を過ごしています。そんなこともあり、0歳児のクラスへ行くと、私の顔を見ると人見知りをして泣き出す子どももある始末です。
    そんな中でも今の唯一の救いは、廊下で私を見かけるとやさしく微笑んでくれたり、名札をさりげなく見せてくれたり、グランドでマラソンをしている年長児や年中児の所へ行き大きな声で、「すごい!すごーい!」と一人一人にエールを送ると、私をちらっと見て得意げに力走する子どもたちがいてくれることです。少しずつ子どもたちの仲間になりつつあるのかなあ…と勝手に嬉しく思っています。

    鳥取みどり園で生活をしてみて嬉しいことが沢山あります。まず、第一に子どもたちの生きる力の逞しさを感じています。3歳児は立ってズボンが履けますし、失敗して先生に洗ってもらった下着もシャカシャカ袋を指で広げ自分で入れてさっさと鞄に片づけています。
    また、グラウンドの外周を走る子どもたちの速さがものすごいです。そして、何周も何周も粘り強く走ろうと頑張りますし、転ぶ子どもが本当に少ないことです。バランス感覚と持久力が育っていることを実感しています。
    また、キリスト教保育の生活の場で、毎日クラスのみんなで声を揃え「イエスさまのお祈りをとおしておささげします。アーメン」とお祈りをし、「月の聖句」と「月の讃美歌」を歌って育ってきているからでしょうか、年長児のリズム感がいいことにびっくりしています。例えば給食の献立の「しめじともずくのすましじる ♫♫♫♫ ♩.♪♩  」なんてリズムも、即時反応で手たたきをやってのけますし、なんと、28人全員の音がきれいに揃うんです。これにも本当にびっくりしています。
    そして、嬉しいことはまだまだあります。毎日の給食がとっても美味しいことです。肉も魚も全く臭みがありません。お汁もだしがよく効いていてコクがあります。食材の数も豊富で、給食費大丈夫?と思ってみたりもしています。ちなみに保護者アンケートでは給食の満足度99%です。なかなか取れない点数です。
    長くなりましたが、最後にもうひとつ嬉しいことは、本園が、広い学園の建物の中央にあり、いつも守られているという安心感のある生活が送られることです。先日も、子どもたちと一緒に散歩へ出ようとしていた1歳児クラスの先生が、園前の桜の木に猿が居たのを見かけ、「どうしよう!!」と慌てふためいていた時、あっちからもこっちからも学園内の先生方が集まって来てくださり情報を入れてくださいました。本当に心強いです。
    こんな素敵な学園の中にあり、70年もの歴史のある鳥取みどり園で、頼もしい先生方や子どもたちと共にこれからの保育人生が歩めますことに感謝いたします。


    2020.05.01

  • 第28回『新年度を迎えて』 児童養護施設 鳥取こども学園 園長 田中 佳代子

    毎年、学園前の桜並木のつぼみが膨らみ、開花とともに新年度の訪れを告げてくれています。
    今年も日に日に開花が進みほぼ満開ですが、子どもたちはどんな気持ちで新学期を迎えるのだろうかと心によぎります。新型コロナウイルスの関係で、小・中・高等学校と2月終わりから突如のお休みとなり、進級・進学を迎える子どもたちは、学年最後のまとめ(勉強はもちろん友達とのつながり等)の時期を奪われた形で新年度を迎えます。子どもたちはいつもと変わらぬ笑顔で過ごしていますが、いろいろな想いを抱えているのだろうと思うと心が痛みます。

    そして、学園も一年で一番大きな変化の時期となりました。
    進学、就職、家庭復帰で巣立っていく子ども、新しく仲間に入る乳児部等からの子どもたち、退職の職員に新規の職員、ホームを異動する職員など。別れの区切り(身体は離れても心はつながり続ける学園ですが)としていつも行っているホーム行事や外食での思い出つくりも今年は大幅に自粛ムードで心にぽっかり穴が開きそうです。小規模で家庭的な養育を昔から行っている児童養護施設なので、ホームで一緒に暮らす友達や職員が変わることは、大変なのです。お別れの行事や外食で気持ちの区切りのきっかけを持ち、時間とともに心の準備を重ねてゆく、とても大切な時間が奪われているのです。
    そんな状況下でも、子どもたちも職員も少しでも楽しく有意義に過ごそうと試行錯誤を重ねているのが伝わってきます。
    私はそんな素敵な子どもたちや職員に、『みんな、頑張ろう』と心でエールを送っています。

    昔、鳥取こども学園に勤める職員の歓迎の挨拶に『不幸の会にようこそおいでくださいました』と言っていた時代がありました。子どもたちを幸せにするために、職員は自分の時間や自分の心を削るので、はた目には『不幸』と見えるかもしれない。そういう意味が込められていました。でも、語る職員の顔は幸せに満たされていました。『不幸の会』は子どもたちからたくさんのエネルギーをもらって『幸せ』を感じさせてもらっていました。
    令和2年度、これから始まる新年度もいろいろなことが待ち受けていると思います。
    子どもたちも職員(私も含め)も自分の心を削りすぎないように、いい加減で『幸せ』を感じられる一年でありますように。
    地域社会から、虐待で苦しむ子どもたちが救われますように。
    地域、関係機関の皆さまのご理解・ご支援をいたたきながら歩みたいと思いますので宜しくお願いします。


    2020.04.01

  • 第27回『暖かい冬の日に』乳児院 鳥取こども学園乳児部 副院長 竹森香理

     世界の各地で新型コロナウイルス感染症が流行し、3月になってすぐに日本各地の小中学などは突然休校となりました。楽しみにしていた行事を自粛したり、縮小したりと子どもや周りの大人たちたくさんの方が困られていると思います。そんな、非日常的な出来事が目の前で起こり戸惑う私たちをよそに、乳児部の乳幼児たちの様子はいつも通り。ただ、遊びに出かける場所が限られてしまい自由度がちょっぴりなくなりました。

     3月といえば、乳児部にとっても別れの季節。大きくなった子どもたちは次なる育ちの場へ。お話がたくさんできるようになり大人とのやり取りも一段と楽しめるようになった子どもたち。賑やかな活気のある毎日を届けてくれるのはこの子たちだと感じています。
    その子どもたちと1年を通して、“わくわくタイム”という遊びの時間を作り、楽しんできました。公園や海、バーベキューなどワクワクすることをたくさん体験しました。この時間は、子どもたちが普段一緒に生活している職員ではない、ちょっと離れたところにいる職員(おっちゃん・おばちゃん的な関係とでも言いますか・・・)との時間です。

     ある暖かい冬の日。行きつけのかにっこ館で遊んだ帰り道。小雨に日差しがまじる(狐の嫁入り)中、車を走らせていると、しばらくして目の前に大きな虹が現れ、「わぁ~」と大はしゃぎする子どもたち。私が、「ラッキーな日だね!」というと、「なんで?(ラッキーなの?)」「なんで?」と。車で追っかけても逃げていく虹に「なんで?」「なんで?」と車中は疑問符だらけ。学園に着いてもまだ出続けている虹にみんなで声をあげて「ラッキー!」と叫ぶ。「これからもいいことあるね。」とお話しながらしばらくの間、空にかかる虹を見ていました。

     みんな、元気で心も体も大きく育て!!と願わずにはいられないひと時でした。


    2020.03.17