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第44回『希望館 館長杯卓球大会しました!』児童心理治療施設 鳥取こども学園希望館 館長 花川 治応
コロナで楽しいイベントができない夏休みだったので、「よし!卓球大会しよう」となりました。8月の暑い中、2日連続で開催しました。
「本気モード・Aクラス」「変なサーブ無し・Bクラス」に分け、賞品はお菓子です。(あら、勝っちゃった!)
本格的に卓球ユニホームで来る子。普段着で来る子。めったに卓球しないのに参加した子と沢山の子が参加しました。
はじめは「おふざけモード」の子も段々「勝ちたいモード」に変わり、予想外の勝利に自分でもびっくり! 翌日にも急遽参加したり、優勝候補が負けてしまったり、試合の進行も皆が自主的に進めてくれたり・・・。汗だくになって楽しんでくれました。(絶対王者?館長敗れる)
各クラスの優勝者には、館長とのスペシャルマッチ「希望館王者決定戦」があります。
館長は今まで子どもには負けない絶対王者でしたが、子どもの成長は予想外に早く、スペシャルマッチで負けてしまいました。実は年のせいで腰痛が再発したのですが・・・悔しい(またやろう)
皆が「次はいつ大会するの?」というので、次は冬休みにやることにします。
休み期間に家に帰れない子どもが、学園に居てよかったと思える体験になる事を願っています。
2021.10.12
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第43回『感染症について思うこと』 乳児院 鳥取こども学園乳児部 院長 竹中 成代
忙しい日々を繰り返しているうちに気付けば9月。暑さが和らぎ朝晩が涼しく、秋の気配を感じるようになりました。特に今年は時間の流れが早いように感じています。この時間感覚は年齢に反比例するとも考えられているようで、納得できる部分もありますが、コロナ禍であっても、月日は流れて季節は移り変わって行くのだなあとしみじみ思い、暗いトンネルから抜け出す日が一日も早く来ることを願ってやみません。
昨年度、乳児部の子どもたちは例年流行する感染症に罹患することなく、入院をする子どももなく、元気に過ごしました。コロナ禍で感染症予防対策が徹底されたおかげ?と思っておりましたが、今年は巷で流行っている感染症を見事にもらい、8月下旬には多くの子どもがRSウイルス感染症に罹ってしまいました。
乳児部ではコロナ禍にかかわらず手、洗い消毒、おもちゃ・床・壁・ドアノブなど子どもが口に入れたり触れたりする部分の消毒、換気など、日頃から感染症予防対策徹底を図っています。とにかく『職員が感染症を持ち込まないこと』を基本に、職員はプライベートな面でも行動を自粛するなどかなり気をつかっています。ところが一度感染症が入ると院内に拡がってしまうことをこの度久々に体験し、これがコロナであったらと想像すると恐怖を覚えました。
今回のRSウイルス感染症の最初の発症から終息するまでの経過や対応等を振り返ってみました。8月中旬は乳児部に病気の子どもはいませんでしたので、院庭やプレイルームで、乳児部のみんなで交わり元気に遊んでいました。RSウイルの潜伏期間は2~3日とのこと。発症した時には既に他児にも移っている可能性が高いということになります。この時期地域でRSウイルス感染症が流行っている情報は入っていましたので、感染症から身を守るためには、ホーム内だけで過ごし他との交流を控えるという行動制限をかける判断もあったのではないかとも考えました。ただ、それは感染症防止のことだけを切り取った場合の考えであって、乳児部で大切にしている『子どもの生活』を第1に考えるとその判断は違うとの結論に至りました。
また、感染症持ち込みの一つに地域で生活をしておられる子どもさんをお預かりする場合が考えられます。院内感染拡大を防ぐため、できるだけ個別の対応ができる体制(入所児童とは別の専用の部屋と専属の職員で預かる体制)をとりたいと思います。子どもたちの生活の安心安全の為には必要な取り組みと考えています。
乳児部は子どもの生活の場所です。保護者さんとの交流も大切にしています。また、他部署との交流、地域とのつながりも大切にしています。外部との交流を持つということは、いつ何処で感染症に罹患するか分からないということです。そこで重要となるのは、いかに早く子どもの異変に気づき、いかに早急に、尚且つ的確に対処するかです。乳児院職員に求められる専門性の一つと考えます。
引き続き日々の感染症予防対策徹底を図りながらも、多くの生活体験を取り入れ、乳児部職員が一つのチームとなって、子どもたちの安心安全で豊かな生活を守り保証することに努めていきたいと思います。
今後も乳児部を見守り支えていただきますようよろしくお願いいたします。
2021.09.08
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第42回『好きを強みに強くたくましく』 幼保連携型認定こども園鳥取みどり園 副園長 古川 典子
今年度、幼保連携型認定こども園に移行したと同時に副園長をさせていただいています古川です。
事務所に移動してから、園周辺や花壇の草取りをすることが増えました。あっという間に伸びてしまう雑草。抜いても抜いても気がつくと、大きく育ち増え「雑草は、生命力が強い」と感じる今日この頃です。
先日、書店で「草と暮らす」という本を見つけました。その中に「雑草は、強い部分と弱い部分である自分の特徴をよくわかっていて、困難を乗り越える知恵を持っているから強い。例えば、オオバコ・・・葉っぱは踏みつけられてキズだらけだけれど、朝露や雨に濡れると粘着性を持ち、人間の靴底や生き物の足にタネをつけて旅立たせる。カタバミやノゲシ・・・夜や雨の日には葉や花を閉じて、無駄にエネルギーを使わないようにしている。彼らの生命力が強い秘訣は、自分の生きる場所を自分で決めて、根っこを伸ばしているから。」というような内容がありました。読み進むにつれ「なるほど。それぞれが特徴を活かして命を繋げているんだなぁ。誰が教えてくれるわけでも無いのにすごいなぁ。」と感心すると同時に「これからの未来を担う子どもたちも強くたくましく育ってほしいな、そのためには鳥取みどり園で日々、楽しいな・面白いなと心動かす体験や経験を通して好きと思えることを増やし、好きを強みにしていってほしいなぁ。」と思いました。さて、7月23日〜25日の3日間、とりぎん文化会館で鳥取みどり園創立70周年を記念し、「現代国際巨匠絵画展」を開催しました。たくさんの方においでいただき、子どもたちの絵を見ていただきました。
年長児は、今回の絵画展の招待画伯で日本画家の原宏之先生と共同制作を行いました。普段、できない経験ができ、子どもたちも楽しかったことと思います。たくさんの方々の協力を経て活動できましたこと、心より感謝申し上げます。そして、8月には夏まつりの「みどりまつり」が行われました。例年ですと保護者や地域の皆様と楽しむイベントなのですが、昨年、今年とコロナ対策で規模を縮小して行いました。金魚すくい(折り紙で作ったもの)、くじ、きもだめし、盆踊りなどなるべく密を避けながら楽しいひと時を過ごしました。
このようにコロナ禍で様々な行事の規模が縮小しており、保護者の方と園行事を一緒に楽しむことが減ってはいますが、その分工夫して色々な活動を行って行きたいと思っています。
子どもたちには、楽しいな・面白いなと心動かす体験や経験を通して好きと思えることを増やし、子どもたちの身体や心の栄養になりますように。
そして将来、優しく、強く、たくましく自分で自分の生きる道を決めて、自分らしく根を張ってほしいと思います。
2021.08.10