第22回『キジバト再来』乳児院 鳥取こども学園乳児部 院長 竹中 成代
朝夕涼しくなり始めた9月下旬、乳児部事務所から乳児部院庭を眺めると1羽の鳥が。
「ハトかな?」・・・近くにいた職員に「みてみて、ハトがいる」と知らせ様子をみていると直ぐどこかへ飛んで行ってしまいました。
後日見かけた時は2羽がいて、院庭倉庫の上でくちばしには小枝をくわえていました。巣作りをしようと見ている先は藤の葉が茂った棚の上。
「もしかして」・・・昨年11月に同じ藤棚でひな鳥が誕生し巣立って行ったことを思い出しました。
ネットで検索の結果、鳥の大きさ、色、柄、形から「キジバト」のよう。樹上に小枝等を組み合わせ皿状の巣を作るのだが古巣を利用することも多いそう。
昨年の古巣を活用しようとたずねて来たのかな。乳児部の院庭の藤棚から巣立ったことを覚えていて再度その巣をたずねて帰って来てくれたのだろうと勝手に推測し、感動し、嬉しく思いました。
子どもたちも鳥がやって来ていることに気がついていて、「可愛いなぁ」と言いながら部屋の窓から様子を見守っています。
乳児部は子どもたちにとっては通過施設ではありますが、安心で安全な場所でなければなりません。この度のキジバトの再来を重ね、乳幼児期に過ごした乳児部が心地良かったと感じ、いつでもたずねて来てもらえる場所でありたいと思いました。
子どもたちとともに新たな命の誕生を楽しみにしたいと思います。
2019.10.08