リレーブログ第6回「2015年度を迎えて」 鳥取こども学園 藤野園長
学園前土手の桜が満開です。3月30日には、105名の職員が参加して白兎会館にて「職員歓送迎会」を行いました。学園の外で夜の時間帯にお酒を含む歓送迎会が行われたのは初めてです。今までは、学園の中で昼間に茶菓による会を体育館でやっていましたが、職員の数も増え、今年はこのような形になりました。
賛美歌を歌い、尾崎理事長のご挨拶の後、私の方から聖書朗読と簡単な奨励、お祈りをして始まり、田中乳児院院長の乾杯の発声から宴会に入り、田渕鳥取みどり園園長をはじめとする退職者一人ひとりへの送る言葉、花束と餞別贈呈、退職者から長年の子どもたちとの悲喜こもごも、こみあげる想いに胸詰まらせながらのご挨拶、新任の二村鳥取みどり園新園長はじめとする新任職員の自己紹介と挨拶、西井希望館館長の閉会の挨拶、川口診療所長の締めの乾杯で終わり、賛美歌を歌って会を閉じました。
私たちは、この度2014年度に勤続25年の職員から僅か数ヶ月のパート職員まで20人の退職者を見送り、2015年度に24人の新しい職員を迎えました。更に4月1日現在、よなご若者サポートステーションの産休代替えセラピスト1名、情短施設の正職セラピスト1名、電話相談コーディネーター1名、計3名の職員を追加募集中です。
社会福祉法人鳥取こども学園は、12事業所で、200人を超える職員数になりました。キリスト教社会事業の「愛」の精神を大切にしながら、次々に送り込まれる子どもたちに必要なことを誠実にやってきた結果がこのような事業展開となってきたのです。社会福祉法人鳥取こども学園は2016年1月には110周年を迎えます。
しかし、子どもの貧困やDV・児童虐待など子どもを取り巻く状況は悪化の一途をたどっています。私たちの施設に繋がっている子どもはまだましで、川崎の中一殺人事件や佐世保の高校生殺人事件など地域の公的、あるいは民間のセーフティーネットワークが機能しなくて放置されている子どもたちが巷に多くいるのが実情です。
2015年度から2020年度までの5年間は鳥取こども学園第二次5カ年計画の期間に当たり、国が各都道府県と進めている社会的養護小規模化推進計画の最初の五年の期間に当たります。そして2015年はその初年度になります。
この間、「社会的養護の課題と将来像」実現に向けて猛運動がなされ、その結果、30年以上も変わってこなかった職員配置の大幅な増員が2015年度から予算措置され、制度改革への歴史的前進が図られました。鳥取こども学園の事業展開は、その牽引車的役割を担ってきたという自負を持っています。
しかし、財政的には、次々に建て替えを迫られた施設整備事業、やればやるほど赤字になる「児童家庭支援センター事業」、開設以来大幅な赤字を抱えることとなった「はまむら作業所」での障がい福祉サービス事業、大規模な立て替え運転資金を要する「地域若者サポートステーション事業」等、法人本部は「火の車」となっています。現在、希望館の生活棟建て替えと本部財政強化のための5000万円募金を行っていますが、皆様の心のこもったご寄付が2300万円集まっています。心より感謝申し上げます。目標まであと2700万円不足しています。引き続きよろしくお願い申し上げます。
お陰様で、情短施設希望館は、6月1日10時から「竣工式」並びに「創立20周年記念式典(川口孝一診療所長の記念講演を予定しています。)」を挙行します。
建物は一通り整備されました。これからは今後の鳥取こども学園の事業を担う職員の育成が課題となると考えています。今後とも応援よろしくお願いします。
2015年4月1日 鳥取こども学園 園長 藤野興一
2015.04.03