リレー 第2回 「創立記念日を迎えて」 乳児部院長 田中佳代子
今日、平成27年1月13日に鳥取こども学園は、創立109年目を迎えました。創立100年を迎えた時に併設した乳児院も9年目を迎えました。ここ3~4年定員一杯の状態が続いており この少子化の時代に乳児院の需要が高まっていることは、悲しいことでもあります。
人生で赤ちゃんの時代は、親御さんのたくさんの見守りとお世話が必要です。その時代を親と離れて過ごす子どもたち。手元に置きたい子どもと離れて暮らさざるを得ない親御さん達。子ども達と親御さんと私達、乳児院の職員が共に歩んでいくのだと思っています。
私たちは 鳥取こども学園の創設者(尾崎信太郎氏)の『愛』の精神を基盤としています。法人の理念である『一人一人を大切に共に寄り添う』をいつも心に刻んで支援しています。小グループ(1ホーム5人の子ども)での家庭的養育のなかで個別担当制を実施しています。子どもたちに『生まれてきて良かった。』と愛される喜びを肌で感じてほしいのです。子どもと離れて暮らしている親御さんから、愛着が奪われることがないよう 親御さんの立場も含めて受け止めようと考えています。子どもとの面会や外出・外泊を奨励し 子どもにとって世界に一人しかいない親(父・母)として 子どもを慈しんでほしいと願っています。
児童養護施設 鳥取こども学園は 戦災孤児の救済のために創設された施設ですが 現在は親のいる子どもたちがほとんどです。時代とともに施設へのニーズや支援方法は変わってきていますが 子どもたちに寄り添う姿勢は今も昔も そしてこれからも変わることのない鳥取こども学園であり続けたいとねがっています。 そして、その分身である乳児院も同じなのです。
平成27年1月13日(第109回創立記念日)
鳥取こども学園乳児部 院長 田中 佳代子
2015.01.13