第29回『はじめまして 鳥取みどり園』 保育所 鳥取みどり園 園長 西垣 恭子
創立記念樹の園前の桜が満開の4月、新しくやってきてくれた子どもたちと一緒に私も鳥取みどり園の仲間入りをいたしました。
何もかも初めてだらけの毎日の中、私が今、一番頑張らないといけないことは、子どもや先生の名前を覚えることです。歳と共に記憶力も衰えてきたなあと実感する毎日の中、園の先生たちは、日々丁寧にクラスの子どもの様子を知らせてくれます。しかし、名前を聞いても分からず、伝えてくださる内容がすうーと心の中と頭の中に入ってこないことに申し訳なさを感じることしばしばで、「どの子のことかなあ?」と、顔を見に行ったり名簿を確認したり…。
初出勤の日から4週間が経ちましたが、いまだに分からないことだらけの園の業務に追われていて、もっと保育室へ行ってみなくっちゃあと思いつつ、一日が終わってしまい反省の日々を過ごしています。そんなこともあり、0歳児のクラスへ行くと、私の顔を見ると人見知りをして泣き出す子どももある始末です。
そんな中でも今の唯一の救いは、廊下で私を見かけるとやさしく微笑んでくれたり、名札をさりげなく見せてくれたり、グランドでマラソンをしている年長児や年中児の所へ行き大きな声で、「すごい!すごーい!」と一人一人にエールを送ると、私をちらっと見て得意げに力走する子どもたちがいてくれることです。少しずつ子どもたちの仲間になりつつあるのかなあ…と勝手に嬉しく思っています。
鳥取みどり園で生活をしてみて嬉しいことが沢山あります。まず、第一に子どもたちの生きる力の逞しさを感じています。3歳児は立ってズボンが履けますし、失敗して先生に洗ってもらった下着もシャカシャカ袋を指で広げ自分で入れてさっさと鞄に片づけています。
また、グラウンドの外周を走る子どもたちの速さがものすごいです。そして、何周も何周も粘り強く走ろうと頑張りますし、転ぶ子どもが本当に少ないことです。バランス感覚と持久力が育っていることを実感しています。
また、キリスト教保育の生活の場で、毎日クラスのみんなで声を揃え「イエスさまのお祈りをとおしておささげします。アーメン」とお祈りをし、「月の聖句」と「月の讃美歌」を歌って育ってきているからでしょうか、年長児のリズム感がいいことにびっくりしています。例えば給食の献立の「しめじともずくのすましじる ♫♫♫♫ ♩.♪♩ 」なんてリズムも、即時反応で手たたきをやってのけますし、なんと、28人全員の音がきれいに揃うんです。これにも本当にびっくりしています。
そして、嬉しいことはまだまだあります。毎日の給食がとっても美味しいことです。肉も魚も全く臭みがありません。お汁もだしがよく効いていてコクがあります。食材の数も豊富で、給食費大丈夫?と思ってみたりもしています。ちなみに保護者アンケートでは給食の満足度99%です。なかなか取れない点数です。
長くなりましたが、最後にもうひとつ嬉しいことは、本園が、広い学園の建物の中央にあり、いつも守られているという安心感のある生活が送られることです。先日も、子どもたちと一緒に散歩へ出ようとしていた1歳児クラスの先生が、園前の桜の木に猿が居たのを見かけ、「どうしよう!!」と慌てふためいていた時、あっちからもこっちからも学園内の先生方が集まって来てくださり情報を入れてくださいました。本当に心強いです。
こんな素敵な学園の中にあり、70年もの歴史のある鳥取みどり園で、頼もしい先生方や子どもたちと共にこれからの保育人生が歩めますことに感謝いたします。
2020.05.01