里親によるショートステイ・トワイライトステイに思うこと②
里親支援とっとり 所長 遠藤 信彦
親御さんの病気など、急なことで子育てがむずかしいとき、いっとき子どもを預けることができる「子育て短期支援事業(ショートステイ・トワイライトステイ)」(以下ショート等)という、市町の取り組みがあります。
昨年度、法律がかわり、このショート等を、どんどん里親さんに受け入れてもらおうという方針が打ち出されました。
ここに至るまで、また、至ったのち、さまざまなドラマがあります。シリーズで書きたいと思います。
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ショートステイ・トワイライトステイ(以下ショート等)の里親受け入れは、鳥取県では現在、鳥取市・智頭町・八頭町・倉吉市・米子市・伯耆町の3市3町が取り組んでいます。これからもっと増えてくると思います。
ひんぱんにショート等を利用する際、親御さんと子どもさんからすると、同じ里親家庭のほうが安心します。不定期で、継続して、同じ子どもさんのショート等を受け入れている里親さんが数件ありますが、そのうちのお一人はこう話されます。「ひんぱんにショート等を使われる親御さんは、里子の実家庭の親御さんと同じくらい困難を抱えていることがある。時折、なんとか休憩をとりながら、いっぱいいっぱいで家庭を守っている。子どもたちからしたら、どうしたって自分の家が良い。そういった意味で、この事業の意義は大きい」とのことです。
実際に、ショート等利用数が多い地域は、子どもが保護されるパーセントが少ないという見立てがあります。ショート等の受け入れ手が充実し、また、このことが広く周知され、困難を抱えている親御さんがもっとこころやすく休憩をとることができるようになれば、子どもたちは、保護に至ることなく、自分の家を離れることなく、すこやかに育つことができると言えるのです。これまで利用のニーズは多くあったものの、施設の受け入れに限界がありました。ショート等受け入れを引き受けることに手を挙げる里親さんは多くいます。その多くの手が、子どもたちのすこやかな育ちの、さらなる保障となります。(続きます)
(この文章は、鳥取県里親会東部部会発行「東部里親だより号外」に掲載されたものの原文です)
2022.07.13