第49回 🌸新年度(令和4年度)ご挨拶🌸 法人常務理事 田中 佳代子
世界中に打撃を与えているロシアのウクライナへの侵攻が収まらず、新型コロナウイルス感染症の罹患をさけるための窮屈な生活も改善出来ぬまま、新年度を迎えています。虐待により命を落とす子どもたち、一般人を巻き込んでの死亡事件も後を絶ちません。戦争・自然災害等に巻き込まれて命をなくした方々、今も苦しみ続けている人々のことを考えると、家があって心が満たされ、三食食べられて温かい布団で眠れる事が最高の幸せと実感する反面、このあたりまえの生活を送ることに罪悪感を抱いてしまう悲しさもある大変な社会状況です。
このしわ寄せは子どもたちに大きく影響を与え、社会的養護・養育を必要とする子どもたちへのサポート体制の強化が今後ますます求められます。社会的弱者の支援も必要とされます。
社会福祉法人鳥取こども学園は、新年度を迎えるにあたり、児童養護施設・児童心理治療施設の施設長の交代を行いました。世代交代で若い力を結束させて中・長期的なビジョンの構築に取り組み、民間社会福祉事業として歩み続けた蓄積を土台に、更なる一歩を踏み出します。
児童養護施設の施設長 藤野謙一、児童心理治療施設の施設長 水野壮一。
また、新設幹部として、法人運営企画室長 山本隆史、就労自立支援事業統括 竹本智恵と総合的な組織体制強化を図りました。
田中は園長を退任し、常務理事として理事長を補佐し、法人各事業幹部と連携しながら12事業の“縁の下の力持ち”となります。しかし、実はまだまだ教えられることの方が多いと自覚しており、ますます自己研鑽が必要と思います。
法人理念は「愛」です。
愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。「愛はいつまでも耐えることがない」(コリント信徒への手紙1:13-4~8)
田中は45年間勤めさせていただき、数多くの「堪え忍ぶものは救われる」を経験しました。
子どもたちの生きる力、自己治癒力から多くのことを学び、変わらないと思っていた保護者も長い時をかけて確実に変わっていかれる姿に寄り添わせていただき、信じ続けること・寄り添い続けることの喜びも与えられました。
法人理念の継承を法人幹部は、とても大切にしています。時代が変わっても基本理念はかわりません。日本を代表する社会福祉実践家であり、熱心なクリスチャンである阿部志郎先生が「靴(制度)に足(利用者)をあわすのではなく、足(必要)に合わせた靴(対応)を作ろうと歩んでいるのが鳥取こども学園だ」と後押ししてくださいました。
今、法人は経営的に非常に苦しい状況が続いていますが、運営方針に賛同してくださる多くの地域の方々に見守られて116年の歴史が刻めていることに改めて感謝しています。
令和4年度・地域の皆様、関係者の皆様、利用者の皆様、保護者の皆様、そして子どもたち、今年度もどうぞよろしくお願いいたします。
2022.04.03